お茶の生産と消費
更新日:2020年10月20日
世界のお茶の生産と消費
中国に始まった喫茶の習慣は、7世紀から8世紀頃には周辺のアジア諸国へと伝わり、17世紀にはヨーロッパへと伝わりました。
今日では、東欧、アフリカ、南米などでもお茶が飲まれるようになっており、お茶は世界三大飲料の一つとなっています。
そして、その大部分を占めるのは紅茶(7から8割)で、緑茶は2から3割程度です。
これに対して、お茶の原料となる「チャ」の木はもともと温暖な気候で生育する植物なので、お茶を生産できる地域は限られています。
特に生産量が多いのはインド、中国、スリランカ、アフリカ諸国などです。
紅茶の生産量はインド、スリランカ、ケニアなどが多く、緑茶の主な生産国は中国、台湾、日本、ベトナムなどとなっています。
世界のお茶の生産と消費
日本のお茶生産
お茶は、気候条件からチャの木の生育に適さない北海道や東北などの一部の地域を除き、ほぼ全国的に生産されているといわれていますが、主な産地はやはり日本列島の南半分に集中しています。
狭山茶の主産地である入間市は、大規模な茶園のある産地としては日本の北限に位置するといってもよいでしょう。
都道府県別に見ると、最もたくさんお茶を生産しているのは静岡県、次いで鹿児島県、三重県の順になっています。
年によって変動がありますが、埼玉県は10位前後です。
日本で生産されるお茶の大部分は蒸し製煎茶ですが、そのほかに、抹茶、玉露、釜炒り製煎茶なども生産されています。
特に京都府や愛知県、静岡県の抹茶、京都府、福岡県の玉露、九州地方の釜炒り茶など、地域によって特色のあるお茶の産地もあります。
主なお茶の生産府県
日本のお茶消費
日本で生産されるお茶の量と、輸出入されているお茶の量を差し引きすると、おおよその日本でのお茶の消費量を知ることができます。
2010年では、日本のお茶消費量は12万6千トンあまり。
このうち緑茶が70パーセント、ウーロン茶が14パーセント、紅茶が16パーセントとなっていました。
近年では、急須やポットを使って、自分でいれて飲むお茶のほかに、PETボトル入りのドリンクなどの消費が大きく伸びています。