イギリスの茶
更新日:2020年10月23日
中国からイギリスへ
イギリス人が最初に茶を知ったのは、中国ではなくて日本だったようです。
平戸に来航したイギリス東インド会社の駐在員の手紙(1615年)にはじめて茶が登場します。
しかしイギリスに喫茶の風習が伝わったのは、一足早く茶を受け入れたオランダを経由して、1630年ごろだろうと思われます。
しかもそれは紅茶ではなく緑茶でした。
17世紀の終りから18世紀には喫茶の風習が定着します。
やがてイギリスの植民地経営を通じて、アメリカやインドなどへお茶の文化が伝わりました。
そしてイギリスは独特の紅茶文化をつくりあげたのです。

イギリスの喫茶風景
イギリスの茶
はじめ薬として輸入されたお茶は、18世紀中期になるとイギリス人のごくポピュラーな風俗へと展開しました。
お茶の種類は、はじめは緑茶でしたが18世紀の中期には紅茶のほうが多くなり、朝晩、さらに午前、午後のティータイムと、しじゅうお茶が飲まれるようになりました。
ティーキャディ

お茶を保存しておくための容器。
お茶は貴重品だったため、鍵がかけられるようになっています。
ティーボール・ティーカップ

茶器は当初、日本や中国から輸入されました。
左のティーボールは、日本の湯呑み茶碗に似ており、初期の形をしています。
右のティーカップは、把手がついており、西洋にお茶が定着した時代の形をしています。
ティーポット

ヨーロッパでは18世紀初頭にドイツのマイセンで磁器作りに成功しました。その後、イギリスをはじめヨーロッパの国々で、西洋の暮らしに合わせた茶器が生産されました。ティーポットは、茶器の中心となる道具で、時代やメーカーによって特徴があります。